2018年12月31日(月)、さいたまスーパーアリーナにて開催された「Cygames presents RIZIN.14」で世界が注目する試合が行われました。
出典:スポーツコミュニケーションズ「メイウェザー、大晦日電撃参戦! 対戦相手は那須川天心 ~RIZIN~」
「神童」と呼ばれ、今では対戦相手を見つけることすら難しいほど、昨今のキックボクシング業界を牽引する存在であり続ける那須川天心ですが、そんな彼がプロデビュー以降、非公式ながら唯一負けた相手が、フロイド・メイウェザーでした。
フロイド・メイウェザーについて
フロイド・メイウェザー・ジュニア
プロボクシング元5階級制覇、戦績は50戦無敗―――。
最強のボクサーとして格闘技ファンで知らないものは居ない、まさに伝説の格闘家です。
那須川天心について
対する那須川天心―――。
現在はキックボクシングプロデビュー後44連勝。
日本キックボクシング界の「神童」という異名が相応しい、
対戦相手を見つけることすら難しいと言われる若き天才です。
試合前の下馬評は・・・
2019年11月5日の記者会見でこのカードが発表されると、ボクシング界、キック界、格闘技界、マスコミ、ファン、様々な人々がこのマッチメイクに仰天しました。
前評判として、
「勝負論がない」、「ただのエキシビション」、「一方的な試合で終わる」
などの意見が大勢を占めました。
ルールについては、ボクシングルール。
那須川天心はキックボクサーであり、ボクシングの試合経験はゼロで、身長は那須川の165cmに対してメイウェザーが173cmと8cm高く、体重は那須川が主に出場している試合の契約体重が57.15kgに対して、メイウェザー戦の契約体重は66.68kgと、4階級、約10kgもの体重差がありました。
通常エキシビションで試合が行われる際に階級差がある場合、グローブの大きさでハンデを付けることが一般的ですが、一切なし。
メイウェザー側は、那須川天心がキックを出してしまった場合は一発の罰金5億円以上を請求する、と一部で報道されるなど、メイウェザーの不誠実な対応も注目されました。
那須川天心『メイウェザーをKOします』
「勝てるわけない」
という世論が多数を占める中、那須川天心は試合前インタビューで
「当たれば階級は関係なく一発で倒せるパンチを僕は持っている。拳一つで世界を変えるチャンスをいただいたので、それを実行しないといけない」
と勝つ気満々の発言。
ファンの中では
「でも、もしかしたら天心ワンチャン勝てるんじゃね?」
と期待するファンも一定数いました。
格闘技関係者からも、「スピードだけなら間違いなくメイウェザーよりも天心選手の方があるのと、メイウェザーはここまで身長差のある相手とやったことがないと思うのでやりにくさはあるはず」
などの意見もあり、期待感が高まりました。
衝撃の1ラウンドTKO
結果として、わずか1R2分19秒でメイウェザーのTKO勝ちでした。
那須川はメイウェザーの強烈なパンチで、3度のダウンを奪われた末、最後は足元がぐらついて立てず自陣セコンドよりタオルを投入されたました。
完膚なきまでに叩きのめされ、敗戦直後は号泣。
5キロ以上もの体重差に加え、実績も経験も天と地ほどの開きがある両者がまともに戦えば、このような悲惨な結末になることは目に見えていました。
試合後、あまりに階級差が開きすぎており、非常に危険な試合であったと多くの批判が集まりました。
海外メディアは試合を酷評
米国のスポーツ専門メディアのESPNは、
「メイウェザー対天心は『馬鹿馬鹿しいイベント』」との見出し記事を発信。
同国FOXスポーツは、
「メイウェザーが3分も続かなかった戦いに遅れて現れ900万ドル(約9億8000万円)を手に入れた」との見出しで「ボクシング界の大物が1時間以上も会場に遅れて現れ、短い試合の最初の瞬間には笑みさえ見せていた。」と報じました。
他にもイギリスBBCスポーツなどが同様の記事を発信し、海外からの関心の高さも伺えました。
また、日本のファンからも
「2分で約10億円、イージーすぎる」
「メイウェザーは日本で弱い相手を倒したら10億円もらえると思ってまた来るだろうな」
などの反応も多くありました。
まとめ
結果として、
那須川天心の惨敗、メイウェザーや世界との格の違いを日本人ファンが思い知る試合となってしまいましたが、国内外の格闘技界隈を賑わせた歴史的な一戦となりました。
那須川天心は、のちにボクシング転向を発表。
この一戦が影響した可能性がないとも言い切れないかもしれないですね。
那須川選手の今後の活躍に期待します。
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